「浮動株」とは、持続的に保有されずに市場に出回って売買されている株のことを指します。その株が「~円まで上がったら売ろう」とか「~円まで下がったら損切りしよう」というように、株価などに左右されて頻繁に市場で売買される株は浮動株ということになります。
一方、大株主などによって、経営権を握るためや提携関係を結ぶために保有されている株式は、業績や株価が上下したからといってすぐに売られたりすることはなく安定して保有されることになりますので、浮動株には入りません。こういった株は「少数特定者持株」や「特定株」と呼ばれ、一般的には、「大株主上位10名及び特別利害関係者(役員等)が所有する株式と上場会社が所有する自己株式」と定義されています。この比率が高すぎると株式の流動性がなくなってしまうことから、東京証券取引所では、その会社の発行済株式数における少数特定者持株数の比率が上場基準(75%以下)や上場廃止基準(75%超)にもなっています。
浮動株についても「1単位(元)以上50単位(元)未満までの株主が所有する株式数の合計が発行済株式数に占める比率」と定義される浮動株比率が表示されます。浮動株が少ないと、少ない取引で株価が大きく変動することから、浮動株が少ない会社は、人気が集中すると株価が大きく上昇する魅力がある一方で、下落するときも大きく下がる可能性があり注意が必要です。
四季報などを見る際は浮動株比率だけでなく、特定株比率も一緒に見て活用してみましょう。浮動株比率が低いからといって必ずしも特定株の比率が高いとも限りません。